
**イギリスつまみ食い**
第2回
| 第2回の目次 |
| ● イギリス人は皿をゆすがない・・・ |
| ● 一言イギリス英語講座 - "docu-soap" |
| ● 女心とイギリスの空・・お天気アップデート |
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● イギリス人は皿をゆすがない・・・
先日、在英日本人向けの新聞を読んでいたら、インタビューコーナーの中で、「イギリス(人)のここがどうしても理解できない。」という項目がありました。その回に登場した日本人ビジネスマンは、「人にもよるが、イギリス人は食器用洗剤で洗った皿をゆすがない。」と答えていらっしゃいました。 今から10年も前になりますが、わたしが休暇で二度目のイギリス旅行をし、始めてイギリス人の一般家庭におじゃました時に、ショックを受けたのが、このことでした。 実際に統計をとったことがないので、どのくらいの割合かはわかりませんが、友人の話などを総合すると、かなりのイギリス人が皿をゆすがないようです。(もっとも最近は dish washer が普及してきたので、皿洗いも機械まかせが多くなりましたが。) かなりのカルチャーショックでしたが、「郷に入っては郷に従え」がモットーのわたしのこと、早速この習慣を身につけるべく、実行に移したのでした。 まず、洗剤 (washing-up liquid) をたっぷりコップに注ぎ、きゅっきゅっとスポンジでこすって、水切りトレーに入れて、おしまい。(普通、イギリス式だと、この後ふきん (tea towel) で食器を拭くことが多いようですが、ふきんの細かい糸くずがつくのが嫌いなわたしは、天然乾燥させます。)その後、夫が、一口このコップに注がれた水を飲むなり、「なんか、味がおかしいな。」と言うのでした。わたしは、毒を盛ったのだ、と冗談めかしてごまかしましたが、やっぱりイギリス式皿洗い法は健康によくない。それ以来、液体を入れるもの(コップ、マグカップ、鍋など。)だけは、ゆすぐようにしました。 日本人には「どうしても理解できない」皿洗い法ですが、イギリス人の他の生活習慣を見ると理解できるように思えます。つまり、この皿洗い法は、彼らの入浴法と全く同じだと思うのです。バスタブの中で石鹸を使ってからだを洗い、風呂から上がって、その石鹸の泡をバスタオルで拭い取る。風呂桶の外でからだを洗い、湯船につかり、風呂から上がる時には、上がり湯までつかう日本人には、なんとなく清潔感のない入浴方法ですが、やっぱりそれも長い歴史の中で培われてきた感覚の違いでしょう。皿をゆすがない、というのもこれと同じ感覚に基づくものだとわたしは思うのです。 |
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● 一言イギリス英語講座 - "docu-soap"
前回はたいへんclassicなイギリス英語をご紹介しましたが、今回は思い切りホットな言葉を取り上げます。この言葉は去年くらいから聞かれ始めたものでしょう。 ご覧の通り、合成語で、"documentary" と "soap" をくっつけた新しいテレビ番組の種類です。ドキュメンタリーはもうおなじみの番組スタイルですが、ソープは、ソープオペラの略で、アメリカに語源をたどります。昼メロといったところでしょうか。シリーズもののドラマで、その昔、主婦を対象としたところから、スポンサーには、洗剤会社が多かったので、その名がつきました。(日本でも昼メロの提供は、石鹸会社ですよね。) イギリスでは、日中に放送されているオーストラリア産の番組を除き、ソープは、7時半から8時半までのゴールデンアワーに放送されています。子供から大人にまで男女の別を問わず、幅広い人気を持ちます。内容は、エイズ、同性愛、十代の妊娠など、かなりシリアスな社会問題まで含まれて、いくら7時半頃にアニメなどの適切な子供番組が放映されていないからとはいえ、こんな番組を10才くらいの子供が夢中になって見るのはどのようなものかと思われます。イギリスの子供が早く大人になってしまうのもわかるような気がします。 さて、前置きが長くなりましたが、実際に起こったことを記録するという意味で、"documentary"、何人かの特定の人物に焦点をあて、この人たちを追う、という意味で "soap"、という二つのジャンルのちょうど中間にあたるのがこの新しい番組形式です。新しいテレビ番組のジャンルとして、ここ1〜2年のうちに人気が出、その数も急速に増えてきました。たぶん、その先駆的な番組が、"Airport" だと思います。これはヒースロー空港で起こる出来事を、アエロフロートの地上勤務係員ジェレミー他何人かのスタッフを中心に描いたものです。その他、自動車免許証取得を目指す人たちを追った "Driving School" などのヒットもあります。 事実は小説よりも奇なりというように、実際のハプニングのほうが脚本にしたがって描かれたドラマより面白かったりすることが、これらの docu-soap のヒットの原因と言えましょう。 しかしながら、これほど最近この種の番組が増えてきた背景には、低コストという要因があることも見逃せません。何ヶ月か前に、前述のジェレミーと、"Cruise" で一躍有名になったカリブ海豪華クルーズ客船のエンターテイメント歌手、ジェイン・マクドナルドがトークショーに出演して、docu-soapブームについて語っていました。それによると、番組作りにあたって、登場人物はいっさい出演料をもらっていないとのこと。彼らは、番組のために特別に演技をしているわけではないからというのがその理由です。例えばジェレミーがカメラの前でしていることは、彼の仕事であり、その仕事に対しては、すでにアエロフロートから報酬が支払われているから、BBCからは謝礼がでないというわけです。もっとも、"Cruise" シリーズで一躍有名になったジェイン・マクドナルドは、シリーズ終了後に作成された、彼女の結婚式までの準備を描いた特集番組については、出演料(それに結婚式費用もか?)を支払われたそうです。 出演料もかからなければ、セットもなし。docu-soapのヒットはいいのですが、安易な番組作りが増えたのも確かです。リバプールのアデルフィ・ホテルを題材にした "Hotel" では、従業員のつまらないおしゃべりまで聞かされて、うんざりしてしまいました。数が増えれば、それだけ駄作も増えるというわけでしょうか。 今回は、おまけで、二言講座です。 テレビ番組のジャンルで、もう一つ。"sitcom"。この言葉の歴史はもう少し古くなります。確かな歴史はわかりませんが、60年代にはすでに使われていたのではないかということです。 "situation comedy"の略語で、一貫したストーリーがあるお笑い番組を指します。特に定義には含まれませんが、一般的に現代に題材をとったシリーズものを意味するようです。テレビの "Mr. Bean" などは、コント(寸劇、sketch と英語では言います。)をつなげたもので、これはこのジャンルには入りません。また、漫才は、"stand-up comedy" と呼ばれます。ただし、ぼけとつっこみのある、かけあい漫才は日本と比べて少ないようで、最近の主流は、一人のおしゃべりです。ちなみに、「おち」は punch line といいます。 |
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● 女心とイギリスの空・・お天気アップデート
前回の原稿がアップした途端に、夏らしい天気になってしまって、もう二度と天気の話はするまい、と思ったのですが、やっぱりちょっとふれておきます。 最高気温が30度を越える暑い日が一週間ちょっと続きました。とうとう待ちに待った夏が来たか、という感じで、一部にはこの天気が8月の間ずっと続くという、半分期待の入り混じった説まで流れました。しかしその暑さも今は一段落して、最高気温は20度台前半とかなり過ごしやすくなりました。 猛暑(イギリス人にとっては)が峠を越えてほっとしている人たちも多いようです。というのも、イギリスの建物は、暑さに対してはあまり考慮されていないからです。最近のオフィスビルはほとんど空調付きですが、わたしの知人の勤める会社のビルには、冷房がついていないそうです。社内でただ一人、たくさんのコンピュータに囲まれているエンジニアだけが、部屋にエアコンをつけてもらって、会社中の羨望を集めているということです。一般家庭にはほとんどエアコンはついていません。(今までおじゃましたお宅に、エアコンのついているところは一軒もありませんでした。)カー・エアコンの普及率が上がってきたのは、ついここ数年のことです。(それでもエアコンなしの車はまだイギリス国内にはたくさん走っていますが。)イギリス人にとっては、自国は涼しくて、ホリデーは南の島、というのが理想なのではないでしょうか。 ということで、今回は予報はなしです。イギリス旅行をお考えの方は、メールにてお問い合わせ下さい。その時点での最新お天気情報をお伝えします。 |