Anglo-bites

 **イギリスつまみ食い**

第3回

第3回の目次
● すっかり秋の気配のロンドンです
● パブで飲み物を注文する − 失敗しない女性のための飲み物ガイド
● 女性のためのバー
● 一言イギリス英語講座 − "anorak"
● 再び、イギリス式皿洗い法について

● すっかり秋の気配のロンドンです

あまりぱっとしなかった夏も終わり、秋の気配が深まりつつあります。今年の夏は、天気がいまひとつだったので、我が家を含め、引退後はスペインに移住しようと考えるイギリス人が、増えているようです。

スペインといえば、8月の末に、スペインのイビーサ島の英国副領事が辞任したというニュースが伝えられました。イビーサ島は、最近の docu-soap(前の号を参照して下さいね。)の舞台ともなった、イギリス人にとっての式根島のようなところです。辞任の理由は、酔っぱらって問題を起こすイギリス人観光客の尻拭いにうんざりしたから、ということでした。

イビーサ島を舞台にした docu-soap を放送した同じチャンネルでは、新しいシリーズ "Greece Uncovered"を現在放映中です。今度は、ギリシャの英国総領事が辞任する番でしょうか?

● パブで飲み物を注文する − 失敗しない女性のための飲み物ガイド

まず、最初に。ここでは、女性が、まだよく知らない人たちとパブに飲みに行った時に、何を注文したら、注目を浴びずにさりげなく受け取ってもらえるか、ということについてお話します。

もちろん、何を飲むかは個人の自由で、自分がおいしいと思うものを注文すればいいのですが、ここでは、あくまでも、どのような飲み物が無難かという観点からご紹介します。

パブで、よく女性が注文する飲み物の中では、ジン・トニック(英語では、"gin and tonic" と "and" を入れますのでご注意を。)、ワイン、"Pimm's and lemonade"(特に夏) が代表的なものです。

ジン・トニックやピムズ・アンド・レモネードを注文すると、"Ice and slice?" と聞かれますので、氷と輪切りのレモンを希望する場合は、"Yes, please."と答えましょう。ワインの場合は、"dry (または medium) white wine, please."という具合に注文します。(dryのほうが、絶対におしゃれです。)

これだけは、避けたほうが無難という飲み物は、まず、何であれ、パイント・グラス入りの飲み物です。"A pint of ..(bitter, lager, etc.)" は男の人の飲むものですので、どんなに喉が渇いていても、"half .."または"small.."(両方ともハーフ・パイントを意味します。)にしておきましょう。(お代わりすればいいだけのことです。)

それから、ギネス(Guinness)も避けたほうが無難です。わたしは、こくのある苦みが好きなのですが、よほど親しい人と飲みに行く時以外はギネスを注文しません。ギネスというと、肉体労働者の飲み物というイメージが定着しているので、女性が一度注文すると、二度目からはもうギネスと言う必要はありません。あなたはギネス飲みだということをバーテンダー (barman, bar staff) はしっかり覚えています。三杯目を注文した時には、あなたは冗談のタネになっています。

最近ではパイントを注文する女の人もなきにしもあらず、なんでもありの様相を呈してきた英国パブ事情ですが、このへんの飲み物なら無難ということで、女性の方に参考にしていただければ、幸いです。

● 女性のためのバー

先日、新聞のコラムに、新しくロンドン市内に女性客をターゲットにしたバーが開店するという記事が出ていました。

洗練されたインテリアに、バーテンダーは、全員、容姿と会話のセンスで選りすぐられた男性ばかり。化粧室もひろびろとしていて、2000ポンド(約40万円)もする大きな鏡が鎮座ましましているのだそうです。

で、このニュースを聞いたコラムニストのボーイフレンドは、「そんなのすぐにつぶれるにきまっているよ。」と言ったそうです。なぜなら、女が飲み物を自分で買うはずがないから、だそうです。

イギリスには、ラウンド("round")という習慣があります。パブにグループで飲みに行った時は、割り勘にはしません。誰かが、みんなの飲み物をまとめて注文し、全額を支払います。これを順番で、やっていきます。幸いなことに、女性はこのラウンドに参加することはありません。常におごられる側です。おかげで、どのようなタイミングでみんなの飲み物を注文すべきか、自分の番がまわってくる前に帰るのは反則か、でも、どうしても帰らなくてはならない場合はどうするのか、などの問題で悩む必要はありません。

こういうあまり釈然としない習慣が、今でもすべての人に満足のいく形で、受け継がれているのかどうかは疑問です。その証拠に、「彼は絶対に飲み物をおごらない。」と評判の男性をわたしは知っています。さりげないようで、実はみんな誰が気前がよくて、誰が常に自分のおごる番を避けているのかを、注意深く観察しているのです。こんなに複雑なら、割り勘にしたほうが、よっぽどさっぱりしているのに、とわたしは思うのですが、やっぱり習慣は根強いものです。

もっとも、ラウンドに女性は加わらない、という習慣のほうは、崩れつつあるようです。今から20年くらい前までは、女性同士でパブに入ったり、女性がカウンターで注文するのも珍しいくらいだったそうですので、これはたいへんな変化と言えましょう。

● 一言イギリス英語講座 − "anorak"

日本語の「オタク」に近いのが、この言葉ではないでしょうか。もともとは、エスキモー(イヌイット)語だということですが、フード付きの防風防雨防寒着のことを一般的には指します。これは、鉄道マニア ("train spotters") のユニフォームで、そこから転じて、やたら細かいこと(特に、統計的なこと)に詳しいマニアのことを一般的に指すようになりました。

"He is a football anorak."という具合に、鉄道関係以外にも広くオタク的存在を指します。"train spotters" も今では鉄道マニアだけでなく、一般的にオタクのことを指すようになっています。「オタクっぽい」と形容詞として使う時は、anoraky とyをつけます。(ちょっと、造語っぽいですが。)

● 再び、イギリス式皿洗い法について

前号でとりあげた、イギリス式皿洗い法について、読者の方から、「それは水の大切さと関係があるのでは?」というご指摘をいただきました。お便りを下さったSYさんは、イギリス滞在中に、お風呂の使い方やトイレの水の流れの悪さに、イギリスでは水は貴重なものなのだ、と実感されたそうです。

これは確かに一理あるようです。 特にお湯はとても貴重です。タンクの水をボイラーで沸かす形式ですので、一度タンク一杯の水を使ってしまうと、次にお湯を作るのにかなりの時間がかかります。それで、一度バスタブにはったお湯を、その後2〜3人で使う家庭も少なくないわけです。(ああいう入浴法で、これはかなり気持ちが悪いと思うのですが。)

たぶん、水の節約ということも、皿をゆすがない理由の一つかもしれません。(ちなみに経済的な理由ではないようです。というのも、イギリスでは、水道メーターが設置されているところはまだ限られていて、ほとんどの家庭に一律料金制が適用されています。) その他、新しい説、またはわたしの説を証明する例、逆に反証などもお待ちしています。メールは下の欄からどうぞ。


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