■◇■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2002. 5. 7 ━■
Anglo−bites (イギリスつまみ食い)
増刊号 Vol.39
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久々の増刊号です。3回に渡ってイギリスの消費者文化関連の話題を扱って
きましたが、今回はそれに関する読者のみなさんのご意見をご紹介したいと思
います。題して、「世界の客と店員・店との関係」。
まずは、日本の客と店との関係から。
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◆ 日本の商人と顧客の関係ですが、日本の原点は、田舎で近所の八百屋
や呉服屋での両者の関係に見ることができるのでは無いかと思います。そ
こでは、安い良質の野菜があれば客が「おおきに、ありがとう」を言い、
注文した晴れ着が娘の気に入れば、わざわざそれを伝え、お礼をする為、
顧客は呉服屋に足を運びます。難しく考える必要はありません、双方は上
下関係などありません。
日本の商店で店員が客に丁寧な言葉お使い、苦情にも笑顔を絶やさない
のは、経営者の指導が行き届いていたに過ぎない。大学なり高校なりから
入社した新卒が、お客は神様であるとの経営思想に取り付かれた(そして
これは正しい)経営者やそのサポーターに、徹底的な新入社員教育を受け
た結果です。(私は永い間、芋虫<敬語も満足に出来ない新卒>が蝶<人
付き合いの巧みな演技のできる商人ビジネスマン>に変身する様をでどれ
程見て来たことか。)これに反し、顧客は、学校卒業のまま天真爛漫、誰
にも社会教育を受けず、ぺこぺこされれば鼻はますます高くなり、また、
商人教育を受けた筈のビジネスマンも立場変わればこの時ばかりはと高飛
車に振舞う、誠に度しがたい悪循環の中にうまれたのが、日本の商人と顧
客との関係では無いかと考えます。ここで問題は、顧客の教育です。
(後略)
(MacHamaさん)
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わたしは東京生まれの東京育ちで、個人商店ではほとんど買い物をしたこと
がなかったので、日本にも個人対個人の対等な客と店との関係があるとは思い
もしませんでした。
第23号の中では触れませんでしたが、実はわたしも日本の「お客様は神様」
思想が店員の間に浸透しているのは、MacHamaさんのおっしゃる通り、社員教
育によるところが大きいと考えていました。
この後、お便りの中でMacHamaさんは、「顧客がサービスに感謝することが
日常行われている」イギリスの習慣に触れ、「この点にこそ、日本で失われて
来た人間関係、復元したいマナーを見る思いです。」とおっしゃっています。
さて、同じく日本の店と店員との関係について、今度は学校の先生をしてい
らっしゃるぱーこさんからのお便りを紹介したいと思います。
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◆ 日本だと、客と店員以外の対人関係も、立場の関係になっている気が
します。金を落とすから、ということもあると思うんですが、客とはこう
いうものだ(神様)店員とはこういうものだ(尽くす立場)ということで、
関係が成立している、と思われます。
そして、この立場と個人的な感情その他もろもろが日本人の葛藤の中心
ではないでしょうか。教員などやっていると、そう思われる例を良く見か
けます。
日本で、というほど私は日本以外は知らないので、アングロバイトを読
んでそう思いました。
いらっしゃませ、こんにちは、というのが最近でははやっています。
きっとそういうマニュアルがあるんでしょう。こちらもマニュアル通りの
お客としてつき合わなければならない、という義務感のようなもので、客
をやっています。
最近考えているのは、(日本での)インターネット上の言葉使いです。
ハンドルネームに様をつけて、書き込みをしています。これは、日本にお
ける商売関係を同じではないか、日本には、よく知らない他人同士が有効
な関係を持つ場合、商売関係のモデル以外、見あたらないのではないか、
そんなことを考えました。
(後略)
(ぱーこさん)
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イギリス人の執事と日本人は自分に与えられらた役割を演じるのがうまいと
いうようなことを聞いたことがあります。職業的役割をみごとに演じる、これ
が職業意識=プロフェッショナリズムというものかもしれません。
立場といえば、日本人は、相手を自分と相対的に関係づける、つまり自分と
他人との立場を確立させるということを対人関係の最初にしておかないとなん
となく落ち着かない民族なのではないでしょうか。その立場づけの材料が、年
齢であったり、社会的地位であったりするわけでしょうが、インターネットと
いうものが出てきて、立場づけが非常に難しくなってきました。そこで、とり
あえず商売関係のモデルに頼るようになるのかもしれません。
さて、今度は日本からアジアに話題は広がり、アジアへのご旅行の経験も
豊かなKmrさんからのお便りです。
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◆ 会社組織から見た場合は、「他社の製品とか店舗を紹介する」などと
いう行為はとんでもないことで、「多少の方便を使ってでも自分のところ
の商品とかサービスをお買い上げいただくようにしなさい」というのが、
まあ一般的でしょう。
ここのところは、英国と日本、というより、西欧とアジアの違いかもし
れません。近年、中国、台湾などに行く機会が増えてきていますが、少な
くとも中華文化圏においては、金が全てであることは間違いありません。
なので、「多少の方便」どころか、ウソやインチキは当然の商売として
堂々とまかり通っているようです。ブランド商品のコピーは、そのほとん
どがアジアで生産されているってのもそういうアジアの文化(?)を反映
しているようにも思えます。
(中略・通訳を務めてくれた中国人のお知り合いと店主との丁丁発止の
かけひきの末、お土産用のチャイナドレスを激安で手に入れられた上
海でのお話があります。)
・・・・・結局、私はメイのおかげで600元のチャイナドレスをなん
と、60元(約900円)でゲットすることができました。普通、値切る
と言えば50%オフでも「やった〜」って感じなんですが、この国ではこ
れはまだ序の口、原価がいくら位なのか、想像もつきません。しかも、イ
ンチキシルクが堂々と本物と表示されているのです。(とは言うものの、
素人目には区別がつきません。)
思うにここでは、売るほうも買うほうも「確信犯」なんですね。こんな
ことは、少なくとも日本のまともな店ではあり得ないし(だいいち信用を
失っちゃますよね)、英国でも見られないのじゃないかなあ。でも、日本
でもいい加減な商売をしてるところは、こういうのに似たケースは結構あ
りますね。「ウソも方便」というのはアジア共通(?)の合言葉なんじゃ
ないかなあ。一方で西欧の場合はウソは絶対許されない行為、ではないの
でしょうか。グローバルスタンダードといわれる様々な規格は英国が発祥
というケースが多く見られます(ISO、著作権法、国際会計基準等)が、
理念となる部分は「ディスクローズ」「人格尊重」「虚偽記載の排除」な
ど、ほとんど共通のような気がします。アングロサクソンの血がそうさせ
るのでしょうかね?
もうひとつ、職人気質というか、そういうのが西欧、特に欧州は強いよ
うな気がします。なにせ、ギルド(フリーメースンのルーツとも言われる)
という組織があったくらいです。会社とかの「縦割」よりも同業者同士の
「横割」の繋がりが強いのが特徴なんじゃないかなあ。実際、欧州の(一
般的な)賃金制度はアメリカや日本とはかなり違うと聞きます。そういう
のが根底にあるとすると、「うちよりもあそこの店の方が安いよ」くらい
は平気で店員の口から出てきそうな気もします。もっとも、ここのところ
は、多国籍企業が多くなってしまった現在の英国からは駆逐されてしまっ
ているのかもしれませんが。
(Kmrさん)
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さて、今度はアメリカの客と店員との関係について。大学でイギリス文学・
文化を担当されているH・Aさんからのお便りです。
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◆ 前回のイギリスの店員の態度についての記事は、昨年の授業中、アメ
リカに短期留学した学生の感想で「どうしてアメリカ人の店員の態度は日
本人の店員と違ってあんなに堂々としているのだ。」という質問があった
のですが、それについては私も英米のちょっとした滞在体験で同様の印象
をもっていたので、それは個人主義の伝統の違いではないかと答えておき
ましたが、文化比較としても面白そうですね。
(H・Aさん)
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最後に、ドイツにお住まいの方からのお便りです。
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◆ ドイツは、そうですねぇ、スペインとイギリスとも日本とも違います
ね。ゲルマン人さん達は、生真面目な人と、やぶれかぶれな人との混合部
隊の様です。少なくとも、お客様を神様だとは思っていませんねぇ。
ちょっとサイズの大きい服を「ちょっと大きいかなぁ。このぐらいだっ
たら着られるよね? 値段も安いし」なんて試着してると「それはあなた
には大きすぎる。買うべきではない」と店員にハッキリ言われてしまうん
です。あんまり商売っ気はないです。
お店の店主がニコニコしていると「あそこの店は品物に自信がないから、
愛想してるんだ」といわれて物が売れない国。マイスター制度のなせるワ
ザでしょうね。
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この方とは音信不通になってしまって、その後掲載のご了承の確認がとれな
かったのですが、掲載してしまいました。正体はばらしていませんから、許し
て下さいね。とてもおもしろいメールなのでご紹介せずにはいられなかったの
です。
さて、今回はこのへんで。引き続き、みなさんからのお便りをお待ちしてお
ります。
最後に、私事で恐縮なのですが、尋ね人の広告をさせて下さい。大阪在住の
TAKEちゃん、今でもこのマガジンをご覧になっていたら、新しいメールア
ドレスを教えて下さい。それから、チェルトナムに留学していたゆかりさん、
もう日本に戻っていらっしゃいますか?イギリスのお土産話を聞かせてくださ
い。他の読者の皆様、貴重な誌面を私用に使ってごめんなさい。でも、メール
アドレスが変わってしまうと他に連絡のとりようがないもので、お許し下さい。
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"Anglo-bites" (イギリスつまみ食い)
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