Anglo-bites

 **イギリスつまみ食い**

増刊号(2000年3月1日)

====================================================== 2000.3.1 ====== ■◇■ Anglo−bites (イギリスつまみ食い) 増刊号 Vol. 10 ■◇■ ====================================================================== □目次 ● イギリスの教育改革 ● イギリスに缶コーヒーがない理由 ● 食文化とテーブルマナー ● ビーン村より愛をこめて(編集後記) ====================================================================== 読者のみなさんからのメールをご紹介する増刊号です。 第3号から3回に分けて、イギリスの教育制度を扱いましたが、読者の方から こんな興味深い情報をいただきました。 ====================================================================== ● 「アングロバイツ」の教育編は終わってしまいましたが、日本のイギ リス大使館広報部が出している雑誌の『BQ』という雑誌が、ちょうどイギ リスの教育事情の特集だったそうです。イギリスでは「子ども中心の教育」 より「教育水準の引き上げ」で、日本と逆の流れだと書いてあるらしい。 (東京・j-frog さん) ====================================================================== 『BQ』は、ブリティッシュクオリティの略だそうです。発行元が駐日英国大使 館広報部で、発売が紀伊国屋。上記の情報は、朝日新聞の2月13日の読書欄 に出ていたコラムからとのこと。コラムの内容は、雑誌そのもののクオリティ がいいという話だそうです。 どこの国でも、試行錯誤を続けているのですね。j-frog さんも「人類史上すべ ての人が満足する教育制度なんて存在したことないでしょうけどね。」と書い ていらっしゃいます。 前回の増刊号で、「イギリスには缶コーヒーがない理由、ご存知でしたら教え て下さい。」とお願いしたところ、早速お二人からお便りをいただきました。 ありがとうございます。 ====================================================================== ● イギリスのことにくわしい大学時代の先生はこんな事を言っていまし た。イギリスには、自動販売機がない。自動販売機があったら、それごと 盗まれてしまうからということでした。本当の理由かはわかりませんが、 それを聞いてすごく印象に残りました。何でも、イギリスから来た教授た ちは、日本で暖かい缶コーヒーが買えることにびっくりしていたそうです。 ( 神奈川・まきるさん) ▼ 自動販売機がないこともないのですが、「屋外にはない」と言い切っ てよいようです。一箇所だけ屋外に置いてある自動販売機を見たことがあ りますが、そこは、警備のしっかりしている敷地内でした。自動販売機な んて外に置いたら、一夜にして、中身の商品と釣り銭は抜き取られ、目茶 苦茶に破壊されて、道路のど真ん中にころがっているということになるの がおちでしょう。こういう理由で自動販売機がないというのは、本当に残 念なことです。これも、イギリスに缶コーヒーがない理由の一つと考えら れそうですね。 (み) ● アイスコーヒーやアイスティーって全然定着してませんよね、オシャ レなカフェでたまに出しているのみで、ましてや日本やアメリカのように マクドナルドなんかのメニューにはありませんね。話がちょっと外れます が、食べ物・飲み物は熱いうちにすばやくいただく、っていうのが基本の ルール(?)なんじゃないでしょうか?日本では例えばパーティ、宴会等 が開かれたらテーブルの上はその間ずっと食べ物のお皿でうまっています。 当然暖かい食べ物も冷めますが、当然のごとくお酒を飲みながらつまみ続 けるでしょう?でもイギリスではメインの食事はサーッと出されて、食べ おわったらお皿も残り物もさげられるものですよね。(たとえビュッフェ 形式でもサラダでない限り、ぬるくなった食べ物のお鍋が放っておかれる 事はありませんからね)飲み物も同じで、コーヒーや紅茶の飲みかたって、 まずカップに注いだら舌に熱すぎない程度になるまで数分待ってから飲み はじめ、次の数分以内で飲み干しますよね。ちょっと飲み忘れてぬるく なったら捨てます。だからコーラやジュースのようにもともと「コールド ドリンク」の類に属さないコーヒーや紅茶が冷たく出されるのは「ルール 違反」なのかも。味覚的にも日本人が冷たい味噌汁なんてあんまり飲みた くない感覚に似ているかもしれない、と思いました。 前置きが長くなりましたが、缶コーヒーって僕たち日本人にとっては懐 かしくおいしい味がしますが、上記のような理由によって冷たい缶コー ヒーなんてのはまず問題外、そして温かい缶コーヒーは、日本のような飲 み物の自動販売機か、スーパーなどの店に専用の保温機が普及しない限り 無理そうに思います。家でわざわざ缶ごとお鍋で煮るわけにもいかず・・ 味もやはり日本人にとっては砂糖とミルクの配合が絶妙だと思いますが、 実はかなり甘くないですか?スプーンに2、5杯分は入ってるんじゃない かと・・・ 甘党の人もいるにはいますが、イギリス人のコーヒー・紅茶 に入れる砂糖の量は大多数の割合でスプーン一杯か全くとらないかのどち らかだと思いますので(それとも僕の偏見?)・・・逆に日本の缶コー ヒーにも人工甘味料を使った「Sugar Free」のダイエット・コーヒーが出 てもいいのでは、とも思います。 (英国ロンドン・レイさん) ▼ 確かに、イギリスでは、アイスコーヒー、アイスティーって定着して いないですよね。昨年の夏、コーヒーショップチェーン店でついにアイス コーヒーを試しましたが、(一昨年の夏は寒くて、とてもそんな気になれ なかったので)熱いコーヒーに氷を入れただけの芸のないもので、がっか りしました。コーヒーを冷たく、おいしく飲ませるための工夫が全くされ ていないのですね。こんなアイスコーヒーでは、イギリス人ならずとも、 コーヒーは熱いのをいただくのが一番、と思ってしまいます。 食に対するこだわりがないイギリス人と言われますが、食事の熱さには ちょっとうるさいです。わたしも食事を作るとき、肉と付け合わせの野菜 すべてがぴったり同時にできあがるようにし、全部熱々の状態で皿に乗せ るために、とても苦労します。日本から友達が来て、できあがった料理の 記念撮影をしようと、食前に大騒ぎをしようものなら、後ろで夫が渋い顔 をしていたりして。熱いものは熱いうちに食べるのが鉄則ですね。(み) ====================================================================== 第6号の「テーブルの反則技」についてもご意見・ご感想をいただきました。 おそばは「ズーズー」がおいしい、とおっしゃるのは、静岡のJOYさん。永 谷園のお茶漬けの音は食欲をそそる、とおっしゃるのは、山口のTYさん。こ のへんは、日本人が虫の音を風流と感じるのに対して、イギリス人の耳には雑 音としか聞こえないのと同じかもしれません。 テーブルマナーという観点からは、こんなご意見をいただきました。 ====================================================================== ● A級グルメとB級グルメという分け方が、昔はやりましたが、それぞ れ食べものも、食べ方も、違うルールを持っていて、日本人はうまく使い 分けをしているのです。それが、周りを気にせず、間違った時に、間違っ た場で、間違ったルールをあてはめてしまうと、それが非難の対象になる ように思います。どんな時でも、一緒にご飯を食べる人が嫌な思いをしな いように、楽しく美味しくいただきたいものです。 (神奈川・カコさん) ● 約束事を守れないとか、今自分のしている行動に周りがけげんな顔を しているとか、気をつけなくてならないと思います。 マナーって本当に言葉と同じく、その人の思いやり度とか生き方そのも のだと大げさながら思います。 (神奈川・CYさん) ====================================================================== やっぱり、テーブルマナーというのは、周囲の人たちに対する気遣いのようで すね。 食文化という点からは、こんなご意見も。 ====================================================================== ● ご指摘されたラーメン、ウドン、ソバ等を音を立てながらすすって食 べると言うのは、欧米の人にはどう説明をしても共感は得られませんね。 私もラーメンを音を立てずに食べることに挑戦しましたが、苦労して食べ ても、食べたラーメンがうまくも何ともない。これはもう、その民族の食 文化の伝統であると割り切らないといけないのではないかと、最近思って おります。「おしんこ」なんかも理解されませんね。 そう言えばラーメンとかうどんのように、汁状の物の中から何かの具を 取り出して食べる料理と言うのは,日本,韓国、中国、くらいのもので世 界的には少数派ではないのでしょうか?他の国にもやはりあるのでしょう か。 (大阪・ATさん) ▼ やっぱり、ラーメンを音を立てずに食べるというのは、あまりおいし いものではないかもしれません。なるべく大量のスープをつけたまま、な るべく短い時間で口まで麺を運ぶためには、音がたつのは避けられないで しょう。 シルクロードの地域に、カレーうどんに近いものがあるという話を聞い たことがあります。他の国にも、この手の食べ物ってあるのでしょうか? ご存知の方、教えて下さい。 (み) ====================================================================== 今回はこのへんで。引き続き、読者の方からのお便りをお待ちしています。 ====================================================================== ● ビーン村より愛をこめて(編集後記) 今日3月1日は、St David's Day。ウェールズの守護聖人の祝日です。 イングランドでは話題にもなりませんが、ウェールズでは、この日は歌を 歌ったりして、お祝いをするそうです。(ウェールズ人が3人寄れば、歌 が始まると言われますが。)この日に赤いソックスを履く習慣があるとい うのは聞いたことがありますが、どなたか、本場ウェールズではどのよう に祝われているのかご存知の方、いらっしゃいますか? そして、来週火曜日、3月7日は、 Shrove Tuesday (ざんげ火曜日) です。フランス語では、マルディ・グラと呼ばれて、ニューオーリンズの カーニバルが有名です。ここイギリスでは、Pancake Day という名前のほ うが定着しています。この日は、キリスト教の四旬節 (Lent) の初日、Ash Wednesday (聖灰水曜日)の前日にあたります。この Ash Wednesday から、 Easter (復活祭)までの日曜を除く40日間は、キリストが40日間荒 野で断食をしたのにならい、敬謙なキリスト教徒は、ざんげをしたり断食 をしたりします。その40日間の断食に備え、前日の Shrove Tuesday に は、長持ちしない食べ物を全部料理して、ご馳走を食べる習慣がありまし た。当時の大半を占める貧しい家では、手軽に材料が手に入り、もっとも 腹にたまるパンケーキが食されたわけです。現代では、実際に断食をする 人はほとんどいないでしょうか、パンケーキを食べる習慣だけは残ってい ます。イギリスでいうパンケーキとは、日本でいうホットケーキとは違い、 フランスのクレープを想像していただくと間違いありません。小麦粉・牛 乳・卵・砂糖を溶きあわせ、油をひいたフライパンに薄くのばして焼いた 後、グラニュー糖とレモン汁をかけていただくのが、伝統的な食べ方です。 この日には、パンケーキをひっくり返しながら、フライパンを持ってゴー ルに向かって走るパンケーキ・レースなど、パンケーキにちなんだ催し物 が各地で開かれます。 さて、次回発行は、そのパンケーキ・デーの翌日、3月8日(水)の予 定です。 ====================================================================== "Anglo-bites" (イギリスつまみ食い) ● 発行者:みちえ ● マガジンID:0000022307 ● このメールマガジンに対するご意見・ご感想はこちらへ: mag2@michiej.globalnet.co.uk ● 登録解除・バックナンバーはこちらから: http://www.users.globalnet.co.uk/~michiej/mag2.html (HP版バックナンバー) または http://www.mag2.com/m/0000022307.htm (増刊号を含めたメールマガジン版バックナンバー) ● もっともっとイギリスの話題を・・・という方はこちらへ: 発行者のホームページ "Beanstalk" (豆の木便り) http://www.users.globalnet.co.uk/~michiej/ ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を 利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ----------------------------------------------------------------------

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