Anglo-bites

 **イギリスつまみ食い**

増刊号(2000年5月24日)

===================================================== 2000.5.24 ====== ■◇■ Anglo−bites (イギリスつまみ食い) 増刊号 Vol. 17 ■◇■ ====================================================================== 予告では、今回は「住」についての話題を取り上げる予定でしたが、再調査 が必要なことが判明し、今回の発行に間に合うように原稿を書き直すことがで きませんでした。楽しみにしていて下さった方、ごめんなさいね。改めてリ サーチして、後日発行しますのでお許し下さい。 でも、せっかくお立ち寄り下さったのですから、まあまあ、上がってお茶で も飲んでいって下さいな、ということで、ちょっと世間話でも。そんな駄文で お茶を濁すなー、と座布団を投げないで下さいね。お時間のある方は、どうぞ ごゆっくりなさっていって下さい。 ====================================================================== ● イギリスの常識はスペインの常識ではない 5月7日から16日まで、スペインに行ってきました。今回スペインに 行った目的は、完成した家の引き渡し手続きをするためです。アリカンテ という地中海沿岸の都市から車で40分程南に行った新興住宅地に小さな 家を買ったのは、おととしの11月。完成予定日は去年の7月末だったの ですが、8ヶ月遅れでやっとこの度、完成引き渡しの段となったのでした。 一日目は、最終支払いや事務手続き。二日目には、昨年10月に注文し ておいた家具が運び込まれることになりました。この配達が、最初は、火 曜日の午前中の予定だったのですが、当日連絡があり、午後になりました。 午後の部というと、4時すぎということになるのですね。シエスタがあり ますから。ところが、4時を過ぎてもトラックは現れない。5時、6時に なっても来ない。9時近くなって、いくらなんでもこれから来ることはな いだろう、とあきらめて、食事にでかけ、この日は別のところに泊りまし た。家具のない家には寝られませんからね。ところが、翌日、家具屋の事 務所に電話をしてみると、10時10分前に配達に来たということでした。 夜の10時に配達に来る人間がいるか?それがいるんでしたね、スペイン には。できたてほやほやの家には、天井から電線がぶらさがっているだけ。 家具の配達の人たちが照明器具を持ってきて、それを取り付けてくれるま で灯かりはないわけです。こんな真っ暗な家の中で、いったい作業ができ たのでしょうか?また、10時に来て、仕事が終わるのは何時になったの でしょうか?想像を絶するようなことがスペインでは起こりうるのでした。 ● 時はゆっくりと流れる 翌日、無事に家具は届きました。でも、午前11時から12時の間の到 着の予定は、実際には1時になりました。2時になって、「ご飯食べてく る。」と言って出かけた家具屋の人は、その後、夜8時まで戻ってきませ んでした。仕事が終わったのは、9時。こんなわけで、わたしたちの貴重 な休暇第3日目も終わってしまったのでした。 その翌日は、公証人役場に行って、代理人を立てる手続きをしました。 事務弁護士の事務所に午後4時集合。何組かまとめて、通訳に引率され、 公証人役場に向かうようです。待つこと1時間。5時すぎにやっと公証人 役場に向って出発しました。そこでも、1時間なにも起きず。やっと6時 になって、手続きが始まりました。代理人を立てないで自分でやるとまる まる一日かかりますよ、と弁護士に脅かされて代理人を立てたものの、そ れでも、その代理人を立てる手続きのために、やっぱり半日は無駄になる のでした。 スペインのわが家は完成したとはいえ、周りはまだ建築現場。道路さえ できていません。まだ20軒以上の家が完成を待っている、その建設現場 を観察していると、毎日わずか5〜6人しか働いていないのですね。その うちの一人はやぎひげの年配の男性で、実際に体を動かしているのは、一 日のうち1時間程度。あとは腕を後ろに組んで、歩き回ったり、他の人が 働いているのを見ているのでした。ある日は、ブルドーザーが入ったので すが、うちの前の道を一回地ならししただけ。もちろん、その日の進展は 目に見えません。なんでもやる気になれば、3ヶ月で一軒建つそうなんで すが、いつになったらやる気になってくれるのか・・・。 ● イギリス人も負けていない こんなスペインペースにいらだつ夫でしたが、実は、イギリス人だって、 時間の無駄が多い。その代表的なものは、おしゃべり。うちの夫も、隣の 家にでかけと、1時間くらい帰ってきません。また、友人から電話がか かってくると、1時間に及ぶことも珍しくありません。(もっとも、ここ まで長いのはある特定の友人の時だけですが。)だから、食事前に電話を かけたり、外にでるのはやめるように言っています。(外に出て万が一お 隣りとでも顔を合わせると、また長くなりますからね。)夫いわく、向こ うが話し続けるので、やめらなかったということですが、実は、彼が新し い話題を持ち出すから会話が終わらないのだということを、わたしは知っ ているのでした。 昔、「男は黙って・・・」というビールの宣伝がありましたが、イギリ スでは、寡黙な男はどうも人気がないようです。(個人的には、わたしは 男のおしゃべりはあまり好きではないのですがね。)理想の男性の第一条 件に上げられるのが、ユーモアのセンスです。これは、見かけよりもずっ と重要です。「ブラインド・デート」という人気長寿番組がありますが、 これはそれを端的に表したものでしょう。ついたての向こうに座った3人 の異性の候補者に質問をし、その答えと印象から、一人を選ぶというもの です。(その後、くじ引きで当たった目的地で、選んだ相手とデートをし、 今後もお互いに付き合いたいかどうかを、それぞれに聞くという後日編も あります。)ここでのポイントは、いかにウィットに富んだ(そして ちょっと思わせぶりな)回答ができるかどうかということにあります。 「沈黙は金」という言葉もイギリスにはあるのかどうか疑問です。わた しなんて、くだらないことをしゃべるよりは、黙っていたほうが賢く見え るのではないかと思うのですが、ここイギリスでは、事は反対のようです。 こんなことを言ったら頭が悪いと思われるのではないか、と思うようなこ とでも、とにかく口を開いたほうが、黙っているよりはいいみたいです。 特に、外国人にとっては、先の会話がよく聞き取れないと、下手に質問し て、「そんなことはさっき言ったじゃなーい!」と軽蔑されるのが心配で すが、こんな時には、とても便利な言葉があります。それは、「オフ・ コォ〜ス!!」。「あぁら、もちろんそうだったわよね。」という感じで、 さらりと言いのけましょう。さっき言っていたことはちゃんと聞いていた が、ついうっかりして忘れていた、と解釈してもらえます。これは、かつ ての同僚のイギリス人女性から学んだ技です。ただし、これを頻繁に使用 すると、ただのバカと思われますので、ほどほどに。 ● ビーン村より愛をこめて(編集後記) 前回の「イギリスはおいしいか?」で、イギリスは変わってきている、 という話をしましたが、変わってきているのは、食に関してだけではあり ません。 最近、テレビのコマーシャルを見ていて、これはイギリスにしては画期 的だと思ったのが、ジレットのレディース・シェーバー。つまり、むだ毛 の始末をするかみそりです。なぜ、これが画期的かというと、新製品であ りながら、性能的に改善されたところがない。しかし、パール、パールピ ンク、パールブルーというかわいい3色で新登場した、ということ。だい たい、イギリスというのは、実用一本槍の国です。かみそりなんて、安全 でスムーズに剃れれば、かわいくなくてもいいはずでした。 イギリスのドラッグストア(といえば、聞こえがいいが、要するに薬局) チェーン、ブーツが日本に進出したということで、「ブーツって日本で言 うとマツモトキヨシのようなものですか?」という質問をいただいたこと があります。答えは、NO。ブーツに、なにかかわいいものはあるかしら? と立ち寄る人はいません。頭痛薬を買わなくちゃ、とか、シャンプーが切 れそうだから、とか確固たる目的を持って入って行くところです。 こんなイギリスで、かわいい色というだけで登場した新製品が、どんな に画期的かをおわかりいただけたでしょうか?これもイギリスが豊かになっ た証拠かもしれません。物質的な豊かさに向かうイギリスに対して、「イ ギリスよ、おまえもか。」とお嘆きになる方もいらっしゃるかもしれませ んが、新しもの好き、好奇心旺盛のわたしには、楽しみな傾向です。 さて、次回は本来の形式に戻って、6月7日(水)発行の予定です。 ====================================================================== "Anglo-bites" (イギリスつまみ食い) ● 発行者:みちえ ● マガジンID:0000022307 ● このメールマガジンに対するご意見・ご感想はこちらへ: mag2@michiej.globalnet.co.uk ● 登録解除・バックナンバーはこちらから: http://www.users.globalnet.co.uk/~michiej/mag2.html (HP版バックナンバー) または http://www.mag2.com/m/0000022307.htm (増刊号を含めたメールマガジン版バックナンバー) ● もっともっとイギリスの話題を・・・という方はこちらへ: 発行者のホームページ "Beanstalk" (豆の木便り) http://www.users.globalnet.co.uk/~michiej/ ====================================================================== ---------------------------------------------------------------------- このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を 利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ ) ----------------------------------------------------------------------

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