| 現代イギリスの風俗・習慣・文化がわかるとハリー・ポッターはさらにおもしろい |
冒険と魔法、伝説の怪物、宿敵の同級生に悪の支配者。子供の心を確実にとらえる要素がハリー・ポッター・シリーズにはあります。輝かしいイギリスの児童文学史にハリー・ポッターの名前が加わるのは確実でしょう。 しかし、ハリー・ポッターは子供だけの読み物ではありません。実際、わたしにこの本を薦めたのは、同年代の同僚でした。娘のために買ったものの、会社帰りの電車の中で読み始めたらおもしろくなって、とうとう娘さんに渡したのは彼が読み終わってからだったそうです。 3年ほど前にイギリスで登場したのが、大人を対象としていると思われる新しい装丁です。表紙のイラストは、黒と白だけの抑えた色調、描かれているのも、オリエンタル風の龍や、写真のようにリアルな機関車など。かつてのカラフルで、登場人物をマンガ調に描いた装丁とは著しい対照を示しています。大人が電車の中で広げても恥ずかしくないような地味なデザインを意図したのでしょう。 物語のあちこちに張り巡らされた伏線が最後に形を成す、そういったミステリーのおもしろさもありますが、ハリー・ポッターの最大のおもしろさは、あちこちに現れるユーモアとも言えるでしょう。特に、魔法界のことを描きながら、実は現代の現実のイギリス社会のパロディーになっているところが笑いのツボです。ハリー・ポッターの世界は魔法の世界でありながら、微妙にマグルの世界と交差しています。このへんが、童心に戻らなくてもおとなが楽しめる秘密ではないでしょうか。このイギリス的ユーモアは、現代イギリスの風俗・文化や習慣に基づくところが多分にあります。この辺りの背景がわかると、ハリー・ポッターはさらにおもしろくなるといえましょう。現代イギリスの風俗・文化・習慣になじみのない方にもハリー・ポッターを楽しんでいただくために、筆者の10年間のイギリス生活(と毎年夏のイギリス滞在)を利用して、少しでもハリー・ポッターの世界を理解するお手伝いをさせていただこうというのがこのコーナーです。 このコーナーでは特に食べ物に重点を置きました。これは、@わたしのネット友達でフリーライターのヒロコさんのお役にいつか立つように、Aメールマガジン "Anglo-bites" (イギリスつまみ食い)の中で、「ホームページ上でイギリスの食べ物事典を作ります。」とお約束したにもかかわらず、いまだに果たしていないので、その代わりになるように、という二つの理由によるものです。イギリス帰国とスペインのイギリス料理店訪問の機会を利用して、できる限り食べ物の写真を入れていく予定でいます。 第5巻が昨年6月に発行されてから早くも1年半が経とうとしていますが、やっと当サイトも5巻の内容を取り込んで更新を始めました。まだ一部ですが、ご覧いただけれれば幸いです。5巻では、特に英語でハリー・ポッターを読む人のために、英語表現のおもしろさを取り上げました。マグル界の表現と魔法界の表現の微妙な違いをお楽しみください。将来的には1〜4巻ももう1度この観点から見直してみたいと思っています。5巻の残りも少しずつアップしていく予定ですので、気長にお付き合いくださいね。 |
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