| Harry (Nasty, common name) |
'Harry. Nasty, common name, if you ask me.' |
夫に甥の名前を尋ねられたペチュニアおばさんの答え。"common"には、「ありふれた」という意味のほかにも、「品がない、育ちが悪い」などの意味も。エリザベス女王がこの言葉を聞いたらどう思うでしょう?彼女の孫の名前も、ハリーなんですけど。ハリーはもともとはヘンリーまたはハロルドの愛称でした。そのせいか日本の報道機関では、チャールズ皇太子の第二王子の名前をヘンリーとすることが多いようです。伝統的にイギリスの王の名前にヘンリーが多いということもあるのかもしれません。しかし、イギリスの報道では常にハリーとなっています。ジャックなどと同様、愛称が正式な名前として定着してしまった例の一つかもしれません。 ちなみにスペインのマスコミでは、ハリー王子はエンリケと呼ばれています。エンリケは英語のヘンリーにあたります。なんでもスペイン風の名前に変えてしまうのがスペイン人の習慣ですが、ハリー王子もエンリケなんて呼ばれたら自分のことだとは思えないでしょうね。ところが、ハリー・ポッターはスペインでもやっぱりハリー・ポッターです。(もっともスペイン語にはHの発音がないので、アリー・ポッターと呼ばれているのかもしれませんけど。) |
| Sherbet lemon |
'A sherbet lemon. They're a kind of Muggle sweet I'm rather fond of. |
ホグワーツの校長、アルバス・ダンブルドアの大好物である、シャーベット・レモンは、イギリスの伝統的駄菓子。レモン味の飴(キャンディー。イギリスではスィートと言います。)で、中心に炭酸ソーダ(これがシャーベット。氷菓子で、日本でいうシャーベットは、英語では "sorbet" と書き、ソーベーと発音します。フランス語に由来します。)の粉が入っています。つまり、最初はレモン味で、真中に行くとシュワシュワーというちょっと酸っぱく、快い刺激があなたを包みますというのが、この飴のポイント。 かつては、量り売りされていましたが、現在では個別包装の上、まとめて袋に入れて売られていることが多いようです。したがって、本文中にあるように「(アルバス・ダンブルドアが)二つのシャーベット・レモンを引き離しながら」というようなことは、現在では少なくなっていると言えましょう。(湿気に弱く、すぐにくっついてしまうのは確かですが。) さらに、「(アルバス・ダンブルドアが)シャーベット・レモンを選びながら」という文章も見られますが、シャーベット・レモンといえばレモン味に限るので、「選ぶ」という表現はわたしには理解できません。"assorted fruit sherbets" という、いろいろなフルーツ味の飴の詰め合わせも売られているので、こちらを指すのかもしれません。
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| Term |
Term begins on 1 September. |
イギリスの新学期は、日本とは違って、9月に始まります。現在、多くの学校は3学期制をとっていて、新学期は、9月からクリスマス前まで。この間、10月にハーフ・タームと呼ばれる1週間程度の中休みがあります。第2学期は、年明けからイースター前まで。この間にも、イースターの時期にもよりますが、通常2月頃にハーフ・タームの休みがあります。そして、3学期目は、イースター後から7月の第2週あるいは3週まで。この間にも、5月末か6月初めにハーフ・タームの休みがあります。(休みの時期は、地域や学校によって異なります。)ホグワーツのような寄宿学校の場合は生徒が全国から集まっており、学校を休みにしても家に帰るのがたいへんなことから、ハーフ・タームの休みは全日制の学校よりずっと短いことが多いそうです。それでも、日本と比べるとだいぶ休みが多いようですが、実際にイギリス国内でもこの点に関する批判は上がっており、一部の学校では、試験的に2学期制がとられているところもあります。 |
| Bertie Bott's Every-Flavour Beans |
- but what she did have here were Bertie Bott's Every-Flavour Beans, Droobles Best Blowing Chewing Gum, Chocolate Frogs, Pumpkin Pasties, Cauldron Cakes, Liquorice Wands and a number of other strange things Harry had never seen in his life. |
魔法使いの世界で人気のお菓子。名前からして、"Bertie Bassett's Liquorice All Sorts"という実在のイギリスの伝統的菓子をヒントとしているに違いありません。オール・ソーツ(全種類)とは言え、このマグル界のお菓子にはもちろん、鼻くそ味や耳垢味なんてありませんので、ご安心を。(それにしても、フレッド・ウィーズリーやアルバス・ダンブルドアには、どうしてそれが鼻くそ味や耳垢味だとわかったのでしょう?) バーティー・バセットのリコリス・オール・ソーツは100年に及ぶ伝統を持ち、イギリス人の間には幅広い人気があります。袋に描かれたマスコットは、その名も「ハリー・バセット」。このため、バセットという名字の男性は、(名前はデイビッドでもスティーブンでも)「ハリー・バセット」というニックネームで呼ばれることがよくあります。 ちなみに、"liquorice"(カンゾウ)ですが、日本通のイギリス人の知人に「日本人はみんな嫌いよ。」と警告されながら、わたしも一ついただいたことがあります。失礼にならないよう、いただいたものは最後まで口から出さずにがんばりましたが、これは拷問に近かったです。なんでこんなもの、イギリス人は好きなんだ?
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| Roast beef |
roast beef, roast chicken, pork chops and lamb chops, sausages, bacon and steak, boiled potatoes, roast potatoes, chips, Yorkshire pudding, peas, carrots, gravy, ketchup and, for some strange reason, mint humbugs. |
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新学期の晩餐でのご馳走。これらはみな、イギリスの典型的なディナー(ご馳走)と言えましょう。 ロースト・ビーフ、ロースト・チキン、ポークチョップにラムチョップ、ソーセージ、ベーコンにステーキ。ゆでたジャガイモやオーブンで焼いたジャガイモ、フライドポテトは付け合せ。ヨークシャ・プディングは、シュークリームの皮のようなもので、伝統的にはロースト・ビーフの付け合せですが、その他の肉料理にも添えられます。グリーンピース、ニンジンはイギリスの典型的な付け合せ野菜。グレービー(肉汁)は特にローストした肉に味を加えるために使われます。ケチャップは、お好みによってフライドポテトにかけます。ミント味の飴というのは、確かに変な組み合わせです。もちろん、ディナーのメインコースと一緒に出されることは、マグルの世界ではありません。 |
| Pudding |
A moment later the puddings appeard. Blocks of ice-cream in every flavour you could think of, apple pies, treacle tarts, chocolate eclairs and jam doughnuts, trifle, strawberries, jelly, rice pudding... |
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学年初めの晩餐は進み、デザート(イギリス人はよくプディングという言い回しを使います。)が現れます。 トリークル・タートは伝統的なイギリスのケーキ。バターを使ったサクサクの生地(ショートクラスト・ペイストリー)の上に、トリークル(糖蜜。現在ではもっと甘く、色も薄い、ゴールデン・シロップが使われることが多いようです。)とレモン汁(あるいはレモンの皮)とパン粉を混ぜたものを乗せてオーブンで焼きます。あたたかいものにカスタードを添えていただくのが伝統的な食べ方のようですが、冷めたものに生クリームを添えてもOK。 ![]() 写真は黒糖蜜を使ったトリークル・タート。 カスタードを添えてあつあつのものをいただきます。 ジャム・ドーナッツは典型的なおやつ。このように、ディナーの最後を締めくくるデザートとして出されることは、マグルの世界ではありません。ふわふわのパン生地の中にラズベリーなどのジャムがちょっぴり入ったものを油であげて、砂糖をまぶしたもの。(カロリーの高さは想像に難くありません。) トライフルは、18世紀にはすでに人気があったというイギリスの伝統的なデザート。シェリーに浸したスポンジケーキまたはビスケットの層の間に、ジャムをはさみ、その上に果物(ラズベリーが伝統的)を乗せます。さらにこの上にカスタードを流し込み、しばらく冷やした後に、ホイップした生クリームをたっぷり乗せて出来上がり。 ライス・プディングは、牛乳と砂糖で米を煮、それにバターを乗せてオーブンで焼いたもの。これも伝統的なイギリスのお菓子ですが、甘いご飯なんて許せない、というのがわたしの意見です。(米をデザートにしてしまうなんて、お米に対する侮辱である!) |
| Porridge |
"What have we got today?" Harry asked Ron as he poured sugar on his porridge. |
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ホグワーツでの朝食のシーン。ポリッジはオートミールを水または牛乳もしくは両方で煮た粥状のもので、典型的な朝食の一つ。スコットランドでは、塩をかけて食べるそうですが、イングランドでは、ハリーのように甘くしていただくことが多いです。わたしとしては、砂糖よりはゴールデン・シロップをお勧めしたい。 |
| Steak-and-kidney pie |
Ron had a piece of steak-and-kidney pie halfway to his mouth. |
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ホグワーツでの夕食のシーン。ステーキ・アンド・キドニー・パイの人気は、中世にまでさかのぼると言われます。蛎がイギリス沿岸でよくとれ安く手に入った時代には、牛肉とキドニー(腎臓)に蛎が加えられましたが、現代では蛎の代わりにマッシュルームが加えられます。(狂牛病騒ぎの名残か、キドニーのほうを省き、ステーキ・アンド・マッシュルーム・パイというのも、よく見られます。)牛肉(シチューイング・ステーキと呼ばれる安いものを使います。通常大きめのサイコロ型に切って売られています。)とキドニーを炒め、だし汁で煮た後、パイ皮(何重にも重なったふわふわのパフ・ペイストリーを使います)を乗せてオーブンで焼きます。 |
| Rounders |
He handed Harry a small club, a bit like a rounders bat. |
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オリバー・ウッドが、魔法使いの世界のスポーツ・クィディッチについて、ハリーに説明するシーン。ラウンダースは、野球の原型ともなった、古い歴史を持つイギリスのスポーツ。ボーラーの投げたボール(しばしばテニスボールが使われます。)をバッツマンが打った後、ベースを回ります。ラウンダースは女の子のスポーツということですので、日本で言うとキックボールのようなものかもしれません。(小学生の女の子の間ではあれほど人気があるのに、中学に上がると誰もキックボールをしなくなってしまうのは不思議なものです。)ラウンダースのバットとは、野球のバットを少し小さくしたようなものだそうです。 |