ハリー・ポッターを10倍楽しむ法

Hosepipe ban
Cars that were usually gleaming stood dusty in their drives and lawns that were once emerald green lay parched and yellowing - for the use of hosepipes had been banned due to drought.
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter One "Dudley Demented")

90年代前半によくあったのが、ホースの使用禁止令。ちょっとからから天気が続くと、すぐにホースやスプリンクラー(大きな家だけでしょうが)の使用が禁止されました。水の節約のためです。渇水が原因というのが水道会社の言い訳ですが、2ヶ月前に大雨が降っても、その後に晴天が1週間も続くともう水不足です。本当の原因は水道管の老朽化に伴う水漏れでした。また、交通情報を聞いていると「水道管破裂のための道路閉鎖」というのがよくありましたが、道路工事やガス管工事などで道路を掘ると間違って水道管を破ってしまうことが多いのですね。最近はこうした反省から各種対策が練られて、昨年のような猛暑でもホースの禁止令はでなくなりました。

ホースの使用は禁止でも、バケツとじょうろで車くらいは洗えると思うのですけどね。人目のない夜中に起き出して、ホースで庭の水まきなんていう人もいたようです。でも、一軒だけやけに青々とした芝生だったりしたら、きっとみんな怪しんだでしょうけど。

Hanged for a dragon as an egg
'We might as well be hanged for a dragon as an egg.'
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Two "A Peck of Owls")

実はスクィブであったことが判明した近所のフィグさんの言葉。マグルのことわざでは、"you may (または might) as well be hanged for a sheep as (for) an lamb"と言いますが、魔法使いの世界では羊の代わりにドラゴンなんですね。さすがに何事もスケールの大きな魔法界だけあります。もともとの意味は「子羊を盗んでも、羊を盗んでも同じ絞首刑になるのなら、大きなほうの羊を盗んだほうがまし」ということで、2つの罪に対する罰則が同じなら、大きなほうの罪を犯したほうがいい(特にそれによって得られる結果が大きい場合には)というときに使われます。ちなみに、わたしの手元にある「アンカー英和辞典」には、「一度犯罪に手を染めたら、どんな悪事でもしよう、毒をくらわば皿まで」とあります。

ここでは、吸魂鬼(ディメンター)を追い払うためにすでにマグルの前で魔法を使ってしまい、罰せられるのは確実だから、いまさら法律を気にしても意味がない。こうなったら、自分の身を守るために、とことん魔法を使いなさい、という意味でしょう。

Spilt potion
'... well, it's no good crying over spilt potion, I suppose ...'
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Two "A Peck of Owls")

これもマグルの言い回しが土台になっています。"it's no use crying over spilt milk."で、すでに起こってしまって、いまさら変えたり元にもどしたりできないことを嘆いてもしかたがないという意味です。「覆水盆に返らず」で、日本では水、イギリスのマグル界ではミルク、魔法界では、魔法の薬なんですね。


Cat among the pixies
"... but the cat's among the pixies now.'
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Two "A Peck of Owls")

"put (または set) the cat among the pigeons"というマグルの言い回しが元になっており、これは問題や論争を巻きおきしそうなことを言ったりしたりすることを意味します。ここでは、すでに猫はピクシー(小妖精)と一緒にいるということで、大騒ぎが始まっているということでしょう。同じpで始まる言葉ということで、pigeonの代わりにpixyなのでしょうが、鳩なんかよりピクシーのほうがもっともっと大騒ぎになりそうなこと間違いありません。それにしても、こんな魔法界の言い回しが次から次へと出てくるところは、やっぱりフィグさんはただのマグルではなかった!

Nymphadora
'So would you if your fool of a mother had called you Nymphadora,' muttered Tonks.
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Three "The Advance Guard")

「ばかな母親にニンファドーラなんて名前をつけられたら、あんただってそうする(苗字だけで呼ばれたがる)でしょうよ」。ニンフ(nymph)と言うと、日本では川や森などに住む美しい女性の水の精や木の精を連想するでしょう。ところが、イギリスでは、"nymphomania"(女の色情狂、色気違い)がまっさきに思い浮かべられます。

トンクスの父親はマグル、母親は名門ブラック家の血を引く魔女ということですが、彼女の母親はマグルと結婚したにもかかわらず、生まれた娘にはこんなマグル離れした名前をつけてしまったのですね。純粋な魔法使いの世界では、ニンファドーラはニンフを連想させて、美しい名前なのかもしれません。でも、こんな名前ではマグルの小学校には行けなかったでしょうね。とすると、トンクスはマグルの父親を持つかかわらず、魔法使いの世界で育ったのでしょうか。テッド・トンクス(ロンドンのイーストエンド出身で、労働者階級の気さくな男性というイメージがあるのですが)と魔法界の上流階級のお嬢様がどうやって知り合って、結婚したのか、とても興味のあるところです。

Grimmauld Place
The Headquarters of the Order of the Phoenix may be found at number twelve, Grimmauld Place, London.
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Three "The Advance Guard")

ハリー・ポッター・シリーズに登場する地名はユーモアたっぷりのものが多いですが、これもその1つ。「グリモールド・プレース」は、"grim old place"(人を寄せつけない古い家)と同じ発音になります。ブラック家の陰鬱なたたずまいにぴったりの住所ではないですか。


Time is Galleons
'Time is Galleons, little brother,' said Fred.
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Four "Number Twelve, Grimmauld Place")

マグルの表現は"time is money"。「時は金なり」という金言ですね。魔法界の通貨で一番価値があるのはGalleonなので、こういう表現になったのでしょう。

Son of a Bludger
... 'Cos some son of a Bludger's gone and nicked all mine!"
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Five "The Order of the Phoenix")

魔法界にもののしり言葉(swear words)ってあるんですね。同じbで始まる言葉で、意地悪なものということで、bitchの代わりにクィディッチのブラッジャーが使われています。

Rhubarb crumble
For some reason, Mrs Weasley threw a very nasty look at Sirius before getting to her feet and going to fetch a large rhubarb crumble for pudding.
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Five "The Order of the Phoenix")

ルーバーブ(ダイオウ)は日本ではあまりなじみのない植物ですが、赤い茎の部分をよくデザートに使います。ちょっと酸っぱい味がパイなどの甘みを和らげていいのでしょうね。その中で一番有名なのが、このルーバーブ・クランブル。バターを小麦粉に練り入り、パン粉状にします。これがクランブル(ぼろぼろにする)たるゆえん。これに砂糖を加え、パイ皿に入れたルーバーブの上にかぶせて、オーブンで焼きます。中のルーバーブが煮えて、クランブル部分がさくさくの黄金色になったら出来上がり。温かくしていただきます。バニラ・アイスクリームを添えてもよし、カスタードクリームを添えてもよし。

Sunday lunch
... I was always welcome at Mr and Mrs Potter's for Sunday lunch, though.
("Harry Potter and the Order of the Phoenix"
Chapter Six "The Noble and Most Ancient House of Black")

日曜日の昼食はイギリスではちょっと特別です。日曜日は昼食が1日の食事のメインとなり、伝統的にロースト肉が食されます。ローストビーフ、ローストポーク、ローストラム、ローストチキンなど。これを日曜日の1時か2時頃にいただき、夜にはティーと呼ばれる簡単な食事(手の込んだ調理を伴わない)をします。かつては、日曜日の昼食は家で家族が集まって食べたものですが、最近はパブで7ポンド前後の比較的安いサンデー・ランチのコースが食べられるため、外食をする人たちも増えてきています。


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